鍵屋さんが合鍵から合鍵を作らない理由
両親との同居するなどの理由で一緒に住む人の数が増えた場合、少ない本数の鍵でやりくりしていると何かと不便なため、合鍵を作るのが一般的です。そして、合鍵を作るために鍵屋さんに行こうとしたら、家族の誰かがマスターキーを持ってすでに出かけていたとします。この時、「全部同じ形だから、どれでもいいだろう」と考え、合鍵を持ち込む方が少なくありません。実はこの行為、NGとは言わないまでも、あまり望ましい行為ではないのです。その理由について、以下で解説します。
合鍵から合鍵を作る場合、基本的に鍵屋さんからマスターキーの有無を聞かれるのが一般的です。作ること自体はできるのですが、実は合鍵から合鍵の複製というのは完全に同じものを作れるわけではなく、段差が浅くなるなど微妙な形状の変化がどうしても生じてしまいます。もし、あなたが合鍵を持ち込んだ場合、それはすでにマスターキーとは微妙に形が異なっているため、それをベースに合鍵を作ろうとすると、よりギャップが大きくなります。もちろん、合鍵から複製したからと言って、すぐにトラブルが起きるわけではないのですが、ごくわずかなギャップでも、時間が経つにつれて鍵と鍵穴が劣化してくると、さまざまなトラブルの元になることがあります。マスターキーを持っているかどうか聞かれるのは、このような事情があります。
上記で説明したことは、シリンダーキーの話です。シリンダーキーは昔から使われているギザギザした形の鍵のことです。安価で複製しやすいため、日本国内でもかなりの数が普及しています。シリンダーキーは形状が単純なため、複製も容易です。一方、丸いくぼみが刻まれているディンプルキーですが、こちらは防犯性能を向上させたタイプとなっており、構造が複雑となっています。日々の生活では頼りになる存在ですが、構造が複雑な分ちょっとした差が出ただけで使いものにならなくなります。そのため、ディンプルキーの合鍵を使って合鍵を作れるという鍵屋さんを探すのは難しいです。
そのため、普段からマスターキーはきちんと管理しておき、家族が多い場合はきちんと話し合ってマスターキーを普段使っている人から事前に受け取っておくべきです。ちなみにマスターキーの見分け方ですが、メーカーのロゴが入っています。これが合鍵の場合、合鍵を作るメーカーのロゴが入っています。会社名を知らないと若干わかりにくいですが、刻まれている鍵番号の桁数が多い方がマスターキーなので、会社名を覚えきれないという人は、鍵番号の桁数で見分けるようにしてください。